胃炎には大きく分けて急性胃炎と慢性胃炎の2種類があります。
急性胃炎はアルコールや精神的、肉体的ストレス、痛み止めなど薬の副作用を主な原因として発生します。症状は胃の痛みや違和感が急に現れるのが特徴で、ひどければ胃の粘膜から出血し、吐血したり真っ黒な便が出ることもあります。薬による治療や原因の除去によって比較的速やかに改善します。
対して慢性胃炎は原因のほとんどがピロリ菌の感染です。ピロリ菌は幼少期の免疫が未熟な時期に感染し、治療をしなければ感染が持続します。慢性胃炎に関しては症状はないか、あっても軽度です。多くのケースでは胃カメラや胃透視(バリウム)検査をして、慢性胃炎を偶然指摘されます。
胃癌の原因のほとんどがピロリ菌の持続感染による慢性胃炎です。ピロリ菌を除菌すれば将来的な胃癌のリスクを下げる事ができるため、ピロリ菌がいれば薬による除菌治療が勧められます。ただしピロリ菌除菌をしても慢性胃炎の所見はある程度残るため、胃癌のリスクはゼロにはなりません。除菌後も定期的に内視鏡検査を受けることが勧められています。